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佐藤 雄飛*; 乙坂 重嘉*; 鈴木 崇史; 中西 貴宏
Limnology and Oceanography, 68(7), p.1580 - 1594, 2023/07
被引用回数:2 パーセンタイル:79.14(Limnology)海水中の懸濁態ヨウ素(PI)濃度の規定要因を明らかにするため、太平洋沿岸の2つの海域で、PI、懸濁態有機炭素(POC)・窒素、溶存態ヨウ素、植物プランクトン色素を測定した。PI/POC比から、データセットは3グループ(A: 低い、B: 中間、C: 高い)に分類された。各グループは、植物プランクトンの生理状態として、それぞれ対数増殖期、静止期、衰退期に特徴付けられた。PI生産と植物プランクトンの生理状態との関係に基づき、季節的・地域的差異が一貫して説明できた。これらの結果から、植物プランクトンの生理状態が海水中のPI濃度を調節する重要な因子であることが示唆された。
佐々木 祥人; 舟木 泰智; 藤原 健壮
Limnology, 23(1), p.1 - 7, 2022/01
被引用回数:1 パーセンタイル:7.45(Limnology)福島第一原子力発電所近傍の池において微細藻類の生体および遺体への放射性セシウムの移行について調査した。生体においては、池内の微細藻類数と0.45m以上の池内の浮遊物質の放射性セシウム濃度に相関がみられたことから、微細藻類がその池における0.45m以上の浮遊物質の放射性セシウム濃度の支配要因であることが示された。水に対する微細藻類の移行係数は、1.610であった。また、微細藻類の遺体においても放射性セシウムが生体と同程度、吸着し沈殿することが明らかになった。
渡邊 隆広; 國分 陽子; 村上 裕晃; 岩月 輝希
Limnology, 19(1), p.21 - 30, 2018/01
被引用回数:11 パーセンタイル:52.73(Limnology)地下環境における酸化還元環境の変遷は長期安定性評価において重要な情報であり、地層処分に関連する技術開発につながることが期待される。地下水や地質試料等に含まれる希土類元素(REEs)を分析することにより、物質の供給源や酸化還元環境の変遷に関する情報を得ることが可能となる。本研究では、REEsの濃縮と妨害元素の除去を目的として、イミノ二酢酸-エチレンジアミン三酢酸型キレート樹脂(PA1)の有用性を検討した。標準試料(SPS-SW1)のキレート濃縮試験では、REEs等で高い回収率を得ることができた。また、妨害元素であるバリウムを除去することができた。天然試料に対する適用性については、比較的REEs濃度の高い試料を用いて試験を行った結果、キレート処理をしない条件で得られたREEsパターンと、採水現場でPA1を用いて回収した試料の分析結果とがよく一致した。また、同地点から採取した複数試料の分析結果もよく一致し、本手法の再現性を確認することができた。本結果は、様々な組成を示す地下水試料の化学分析において、PA1によるREEs濃縮が安定した処理方法であることを示唆する。採水現場でキレート樹脂を使用し固相抽出を行うことにより、地下水中のREEs分析を効率良く実施できる可能性が示された。
佐々木 祥人; 舟木 泰智; 伊利 沙汀; 土肥 輝美; 萩原 大樹
Limnology, 17(2), p.111 - 116, 2016/04
被引用回数:12 パーセンタイル:45.29(Limnology)福島第一原子力発電所周辺の河川(1地点)およびため池(4地点)に生育していた水草(5種)および藻類(3属)への放射性セシウムの移行挙動を調べた。堆積物-植物移行係数[(Cs Bq/kg-dry weight plant)( Cs Bq/kg-dry weight sediment)]は、水草では河川に生育していたエビモが5.55と最も高く、ため池から採取したヒルムシロが3.3410と最も低く、同属の水草でも違いがあることが示された。糸状藻( sp.)およびシアノバクテリアの水-植物移行係数[(Cs Bq/kg-dry weight plant) (Cs Bq/L water)-1]は、それぞれ2.3910、1.2610であることが示された。採取水中におけるシアノバクテリア画分のみのCs濃度は、4.8710Bq/Lであり、シアノバクテリアが生息していた水中のセシウム濃度と同オーダーであり、シアノバクテリアへの顕著な放射性セシウムの濃集は確認されなかった。
松永 武; 都築 克紀; 柳瀬 信之; Kritsananuwat, R.*; 上野 隆; 半澤 有希子; 長縄 弘親
Limnology, 15(1), p.13 - 25, 2014/01
被引用回数:8 パーセンタイル:27.29(Limnology)久慈川水系の山地小河川における重金属の降雨時流出を研究した。河川水中懸濁粒子に関して地殻組成で規格化した重金属元素の富加(enrichment)の傾向は、同水系の末端で採取した大気降下物と類似していた。特に、Ni, Cu, Pb, Sb, and Cdについて高い富加(enrichment)が見いだされた。降雨時の短時間間隔観測の結果、その富加(enrichment)の程度が、流量の増大とともに小さくなることがわかった。河川水中懸濁粒子の特性を考慮すると、この富加(enrichment)の変動は、大気降下物の影響をより強く受けている表層土壌粒子から、この影響の弱い岩石由来の風化物粒子への交替により起きていることが示唆される。以上から、河川流出に関する大気降下物由来並びに岩石由来重金属の相対的重要度を評価するには、河川水中懸濁粒子を構成する材料の時間的な交替と、溶存態の関与を考慮する必要がある。